2018年09月05日
⑰「ニトリ成功の5原則」ニトリホールディングス会長 似鳥 昭雄 朝日新聞出版
・落ちこぼれでも成功できる
落ちこぼれでも成功できたし、実は世の中にはそういう人が多い。やればできる。自信を持って欲しい。
・成功の5原則
- ロマン 志し
- ビジョン 中長期計画
- 意欲
- 執念
- 好奇心
ロマンを抱くとは、「人のため、世のため、人生をかけて貢献したい」という気持ちを持つことです。ロマンは「大志」と言い換えてもいいでしょう。
ビジョンとは、20年以上先に達成すべき、長期の目標です。木補油とする数字とそれを達成するまでの期限を入れた、具体的な数値目標を言います。しかもそれが、達成不可能とも思えるほど大きな数字でなければなりません。
意欲とは、「できそうもないことに挑戦すること」です。
執念とは、「目標を達成するまであきらめないこと」です。
好奇心とは、「常に新しいものを発見しようとすること」です。
・「ロマンとビジョンこそ、すべての源」
ニトリのロマンとは、「欧米並みの住まいの豊かさを日本の人々に提供すること」でした。
しかし、今では海外でも出店していますので、日本だけでなく、「住まいの豊かさを世界の人々に提供すること」を、ニトリという会社と、私自身のロマンと考えています。
アメリカのやり方のうち日本で何が受け入れられ、何が受け入れられないかなど、やってみなければわかりません。だったら全部取り入れてみればいい。100%真似すればいい。やってみてダメなものがあったら、それだけやめればいいのです。
働く目的が、「日本の人々を豊かにすること」に変わってしまうと、自分だけが得をするために努力していたものが、「人々の幸せにつながる努力」に変わり、働き方もテンションが上がって、一気にハードワークになっていきました。
「先客後利」まずはお客様が第一。お客様を満足させられれば、利益は後からついてくる。
「先憂後楽」お客様の満足を優先し、お客様が楽しんだ後で自分たちのことを考えるようにする。
・ロマンは人のため、世のため。
ロマンとは、自分個人の得失をはるかに超えたところにある願いです。「人のため、世のため」の願いでなければ、ロマンではありません。
ロマンとビジョンの達成には、「絶対にやるんだ。自分がやるんだ」という覚悟が欠かせません。
・ロマンは情、ビジョンは数字
ロマンとビジョンも同じで、ただビジョン、数字の目標を作っただけではダメ。「人のために役に立つんだ」という志がそこになければいけません。すべてにおいて、その人の発想が一番基本にある。そればニトリです。その意味では「ロマンとは情であり、ビジョンとは数字である」とも言えるかもしれません。
人間も会社も「あの人にいてほしい」「あの人がいてよかった、助かった」「あの会社があって良かった」と思われてこそ、存在する意味があるのです。
・ビジョンの基本は100倍発想
100倍やるには経営者自身の成長も求められる。
・寝ても覚めても口に出して言い続ける
寝ても覚めても1000億いくんだ、いくんだと言っているうちに、だんだん自分もその気になってきたんです。誰かに話すということは自分に対する暗示でもあるんですね。
・夢を共有して取り組んだ人だけが残った。
ロマンとビジョンが明確か、浸透しているか、言い続けているか、
・「ウサギよりカメになれ。小才より純重たれ」
・ビジョンから逆算し、今何をすべきか
ビジョンから現在取るべき行動を決めていくというやり方は、日常のさまざまな場面で応用が利きます。みなさんが成功したかったら、それを自分自身の習慣にしてしまうことです。
・未来から現在を、全体から分を決めていく
「方向」「方法」「手順」という物事の進め方の順序、それに「根本的」「全体的」「多面的」という物の見方。
物事の根本というおのは、なかなか見えないものです。表面的なものは、表に表れているので、誰でも見えます。それを変えるのが「改善」です。でもそこを変えても、問題の解決にはならないのです。問題を解決するためには、表面的ではなく物事の根本を見て、そこを変えなくてはいいけまえん。それが「改革」です。
全体を見渡して「どの方向に向かうか」という結論をまず出し、結論を頭に入れた上で、そこからその方向にどうやって向かうかという方法を考え、そのための手順を考えていく。まず、全体、そこから部分。この順番が大切なのです。
物事はなんでもあちこちから多面的に捉え、立体としてその正確な形を捉えた上で、そう処理したらいいのかを考えなければいけません。
・ビジョンを実現するワークデザイン
意識を高めるためには、偉大なビジョンを持つと同時に、それを「今、がんばれば達成できる、身近な目標」に置き換える必要があります。
30年計画という大きなビジョンから、「30年計画→10年計画→3年計画→1年(52週)計画→四半期(13週)→週ごと」という形に分解していき、年52週、店ごと、地域ごと、商品ごとに数字を出して、状況をチェックする。1年間の目標を達成するために週ごとに目標管理するわけです。これをワークデザインと呼びます。
・問題があったとき
まず事実を確認し、問題は何かを見極め、次に分析し「なぜそうなったのか」を考える。それに基づいて次に現状の改善策、さらに改革案を出すのです。
・「売る」努力よりも、「売れる」システムづくり
チェーンストア理論では、「システム化」が鍵になっていました。
ひとりひとりに「売る」努力を求めるのではなく、会社として「売れる」状態を作ってやる。
「儲ける」のではなく、「儲かる」状態を作っていく。
社員が特別なことをして努力をしなくても、自然にそうなるようにしていく。
「システム」とはよい習慣であると私は思っています。
システムを作るまでには時間がかかります。よい習慣を定着させるためには、10年20年と日々同じことを言い続け、そうするよう要求し続けるしかありません。
・楽しく働くにはロマンとビジョンが必要
小さな成功体験を積み重ねて、「進んでいるな」「成長しているな」と実感できることが、がんばる意欲につながる。キャリアアップシート。
・長所を発見する「配置転換」
・部下を伸ばす理想の上司
私生活で悩みがあると、仕事でも全力を出せません。だから部下を持った人には、悩みを相談され、アドバイスをあげられるような関係を作るよう、努力してほしい。
成長しようとする部下に難しい課題を与え、その苦闘を愛情をもって見守っていてくれるのが、理想の上司です。
・やる気を消え失せさせてしまう言葉
給料を払ってやってるんだから、ありがたく思え。社員同士、上司と部下、社長と社員。気持ちの上で常に平等、対等でないといけません。感謝の気持ちを大切にする事。
・相性は創るもの
ある人とうまくやっていこうと考えたら、あいての短所は自分が補ってやり、自分が足りないところを相手に補ってもらう。それが相性を創るということ。お互いがそうすることによって、チームとして大きな力が生まれてきます。
素直な人。物事のよい面を見る事。
・経営で大切なこと
ロマンとビジョン。社長にまず第一に必要なのは、ロマンとビジョンを持っていること。何十年か先の未来を見通し、それを踏まえて壮大なビジョンを立てて、そこに向かってみんなを引っ張っていく。それが社長に求められる仕事です。
・成功する人の最大の特徴
物事に積極的にチャレンジする人は、物事をよい方向に考える傾向があります。「最後はうまくいくさ」と、行先を楽観しているのです。これは人の短所ではなく長所を見るようにするのと同じで、心がけ次第で変えられるものです。
大事なのは、考えすぎないこと。そこが、人が成功するかしないかの最大のポイントです。
周りを動かすのは本人次第。協調性を持ちながら、かつ攻撃的な性格がベストです。「余計なトラブルは起こさないが、言うべきことは言う」という姿勢。
・ロマンとビジョンを達成するための「5大スローガン」
- 一番主義
- 集中主義
- 先制主義
- 経験主義
- ビジョン主義
一番主義はなんでも一番をめざせということ。
集中主義は、多角化をせず、本業に徹するということ。これは力を1つのことに集中するためです。集中主義の反対が「分散・多角化主義」です。
先制主義とは、まだ他にないことをやるということです。日本で初めて、世界で初めてのことをやる。最初にやった者だけがそこから利潤を受け取れるのです。
経験主義は、なるべく多くのことを経験させるということ。人は失敗を経験して成長するのです。そのためにニトリでは、「配転教育」を方針としています。
何が問題で、何が課題であるか知るためには、頭で考える前に実際にやってみることが大切です。
ビジョン主義とは、目標を立てて、そこから今やるべきことを逆算していくことです。
・ビジョン達成を可能にする革命発想
役員全員に反対されて事は絶対にやるべき。ニトリが成功できたのも、日本の暮らしに革命を起こそうという使命感があったから。儲けたいとか、売上を増やしたいといった気持ちでは、大きな成功はできません。
・人と違うことをするから成功する。
・失敗しないことより、決めることが大事。とにかく攻めること。成功するのは攻める人。
・即断、即決、即行
・会社のために自分がいると思うな。自分の発展のために会社があるのだ。
・仕事は自分で選ぶな。その仕事は自分には合わないなどということは、少なくとも3年経ってから言え。
・問題がない。それが問題だ。20代で問題意識を持たないと、後は墜落するだけである。
・今の仕事に全力投球できない者は、希望するポストに移っても満足な仕事はできない。
・目標を設定せよ。年間の大目標。3ヶ月の中目標。週間の小目標。それの今日の目標をはっきり決めて、それに向かって爆進せよ。
・まずは命令を果たせ。次に期待を果たせ。そしてさらにそれを上回れ。
・欠点あるを喜び、長所なきを悲しめ。欠点を直しても伸びない。長所を伸ばしてこそ伸びがある。
・全力投球した現場経験は、やがてあらゆる判断の基礎になる。
人生の成功において決定的な要素は、学力でも、学歴でもありません。その人の「心の持ち方」なのです。
2018年09月05日