2018年09月03日
⑯「シンプルに考える」~LINE株式会社 元代表取締役~ 森川 亮 ダイヤモンド社
「あれも大事、これも大事」と悩んではいけない。表面的な価値に惑わされるのではなく、
「何が本質か?」を考え尽くす。そしてもっと大切なことにすべての力を集中させる。
僕がやってきたことは、この一点に尽きます。
私はこの本を手に取り、背表紙を読んだ時、あれこれ余計な事、本当に大切ではないと思っている事に、仕事の大半の時間を使っていると感じました。
何かしら考えのヒントがあるのではと思い、購入しました。
私が気になったところをシンプルに共有します。
会社にとっていちばん大切なことは何か? →ヒット商品をつくり続けること。
ビジネスの本質 →ユーザーが本当に求めているものを提供し続けること。
そのためには →ユーザーのニーズに応える情熱と能力をもつ社員だけを集める。
大切なのは「考える」こと。「本質」に全力を集中させる事。
・「熱」こそが成功の条件である。
従業員の邪魔なものを取り除く事。「熱」と守ることが最大の使命。
・ビジネスのシンプルな本質とは?
大切なのは、人々が本当に求めているものを感じ取る能力と、それを具体的なカタチにする技術を磨き続けること。そして人々が求めているものが変化したときには、それをいち早く察知して新しいものを差し出すこと。そこにひたすら集中すること以外に、不安から離れる方法があるとは思えません。
・ビジネスは「戦い」ではない。
シンプルにユーザーのことだけを考える。そして、「ユーザーが本当に求めているもの」を生み出すことに集中する。その結果として、勝利はもたらされる。
・経営は「管理」ではない
生き生きと仕事ができるエコシステムを生み出したとき、はじめてイノベーションの可能性が生まれる。
・「お金」を中心に考えない。
ユーザーを愛する気持ち。自分が携わる商品やサービスを愛する気持ち。これば、ビジネスを成功させるためにいちばん大切なものなのだ、と。
・会社は「人」がすべて
中途採用ではスキルと経験があるのが前提。そのうえで、僕はその人の「価値観」や「生き方」に注意を払いました。「お金」や「出世」や「企業ブランド」を求める人は不採用。「どんな仕事をしたいのか」「どんな夢をかなえたいのか」「自分をどう活かしたいのか」といったことを話すときに、どれだけ目をキラキラさせているか?
過去にある程度の成功経験があっても、あくまでも謙虚にさらなる成長を求めているか?
ここが最大のポイントです。
・仕事は自分でとりにいく
「仕事は与えられるもの」と考えている限り、自分らしく生きることはできないからです。
人間はやりたくないことを我慢してやり続けるよりも、やりたいことをやって生きていくほうが幸せだと思います。それに、やりたいことだからこそやる気も出る。当然、結果も出やすい。それは、僕自身の実体験から確信していることです。
・「お金」や「名誉」を求めない
しがみつくと、社会では通用しない存在になってします。だからこそ、あえて厳しい場所に身を置くようにしてきた。
・仕事はしんどくて当たり前
「幸せ」とは。人は誰でも、誰かに認められたいと願っている。だから仕事を通じて世の中の人々に喜んでもらったときに、自分の存在価値を認められたと感じる。それが「幸せ」なのです。しして、その「幸せ」のためならば、身を削る努力ができる。それば、プロフェッショナルだと思うのです。
・自分の「感性」で生きる
つくり手の「これが面白い」「これが必要なんだ」という、ウソ偽りのない実感がなければならないのです。
・「空気」を読まない
常に周囲に気を使う曖昧な人は、そこそこの仕事はできるかもしれません。しかし、「そこそこ」を超えることは絶対にできません。ずばぬけた結果を出すためには、空気を読んではならないのです。ユーザーが求めていることを、シンプルに追及する人だけが、ズバ抜けたものを作り出すことができるのです。
・専門家にならない
本質からズレた努力はしない。
「そもそも、これは何なのか?」ややもすれば、専門家がバカにしがちな素朴な問いかけですが、この問いかけこそが、僕をものごとの本質に立ち返らせてくれるのです。
・「何もない」から鍛えられる
リソースが足りないからこそ、人は考える。
リソースに恵まれた環境にいることは、必ずしも喜ばしいことではない、と。むしろ、「何もない」という状況でこそ大きく成長できる。そして、試行錯誤を繰り返すなかで、「リソースが足りなくても成功できる」という確信を得る事ができる。その確信こそが、ビジネスパーソンの自身の源になるのです。
・「確信」がもてるまで考え抜く
考え抜いた末の失敗は、成功のもととなる。
類似商品をマッピングすることで、「その企画」がどんなニーズを満たそうとしているかを明確にする。そのマーケットの歴史を俯瞰して、いまなぜ「その企画」が必要なのかを明らかにする。このプロセスを経ることによって、直感がロジックに裏付けられたときに確信は生まれる。成功のイメージが明確に描けるようになる。その確信が本人がもてたときに、はじめてゴーサインを出すのです。
・会社を「動物園」にしない。
結果を出した人が報われる会社にする。
人は一度幸せになると、それ以上を求めなくなる。この世の中は、求める者と与える者のエコシステムです。だから、ユーザーに喜んでもらった結果、会社が潤い、社員も豊かになるという循環を回し続けることがいちばん大事。会社を「動物園」にしてはならないのです。
動物園に安住して、エコシステムに適合できなくなったときに幸せは簡単に失われてしまします。幸せの先に幸せはないのです。
全社員の給与をリセット。「本当にできる人が報われる会社にする」というシンプルな方針を、全社員に浸透させることができたのです。
・「成功」は捨て続ける。
自分の市場価値を高める唯一の方法
あきらめずに努力を重ねて、何度か成功することができれば、確信がもてるようになってくる。そのとき、はじめて本当に優秀な人になることができる。
・「率直」にモノを言う
「実力が足りない」とはっきり伝えたほうがいい。ヘタな情けは人を潰してします。
部下は落ち込むかもしれないが、実際に実力が足りないのだから、それは仕方がありません。
むしろ、それをバネに成長しようとがんばる人でなければ、絶対に一人前にはなれません。であれば、多少厳しくても、現実に直面させるのが本当の優しさではないでしょうか?
・優秀な人ほど「喧嘩」をしない
勝ち負けにこだわるのはダメな人
信頼関係がある場合はユーザーの為にが先にくる。
信頼関係のない場合は、率直にモノをいう文化を推進しようとするのは非常に危険。
なぜなら、自分のために働く者同士が潰し合いを始めるから。結局のところ、問われているのは、その会社に集まった人々が「何のために働いているのか?」ということ。すなわち、「どんな会社なのか?」ということなのです。
・「人事評価」はシンプルがベスト
LINEは360度評価。社員一人ひとりが、それぞれの上司、同僚、部下から多角的な基準で評価してもらいます。そして、「いなくてもいい」と評価された人には、改善を求める。そんなシンプルな仕組みを採用している。
「いなくてもいい」と評価されればショックを受ける人もいるでしょう。しかし、本来は、日ごろからそれを感じ取って、自らを成長させるべく努力をしていなければおかしいのです。もしも、それに気づいていなかったのならば、人事評価を機にはっきりとそれを伝える。そして、奮起してもらうことこそが、その人のためになるのではないでしょうか?
・会社は「学校」ではない
主体性を教育することは不可能
「自分には足りないものがある」、「このままでは誰にも必要とされない」と気付くまで放置したほうがいい。それに気づいたときにはじめて、人は真剣に学び始めるからです。
それ以外に、主体性を身につける方法はないのではないでしょうか?
・「モチベーション」が上げない
やる気のない人はプロ失格
自ら学ぼう、自ら行動しようという気持ちのない人が、責任ある仕事をできるはずがありあせんし、ましてや新しいものを生み出すことなどできません。会社とはやる気のある人たちが集まって、ときにはぶつかり合いながらも「いいもの」を世に送り出すのが本来の姿だと思うのです。
・「会議」はしない
会議を増やす人を排除する
社長が積極的に権限移譲していくことが重要。そして部下にも権限移譲するように勧める。社長自らが率先垂範することで、権限移譲を会社の文化にする必要があるのです。
そうすれば、自然と会議は減っていくはずです。
・「情報共有」はしない
知りたい人は自ら知ろうとするから。
・「差別化」は狙わない
ユーザーは違いではなく、価値を求めている。
・ユーザーは「答え」を教えてくれない
ユーザーの声を掘り下げて、自分の頭で考える。
2018年09月03日